■【世にも奇妙な物語】「恋の記憶、止まらないで」が深すぎる!記憶に潜む恐怖と美しさ
皆さん、夜中にふとテレビをつけたら、思わず見入ってしまう『世にも奇妙な物語』。数あるエピソードの中でも、僕が特に忘れられないのが、2019年秋に放送された「恋の記憶、止まらないで」なんです。
今回は、この作品の魅力と、観た後にじわじわと押し寄せるなんとも言えない感情を、ネタバレを含みつつ、じっくりとお伝えしたいと思います。
恋の記憶、止まらないで|忘れられない旋律が紡ぐ、奇妙なストーリー
物語は、かつてヒット曲を生み出したものの、今はスランプ気味のシンガーソングライター、村瀬志保(斉藤由貴さん)が主人公。ある日、彼女は不思議な夢の中で聴いたメロディーを元に新曲「恋の記憶」を発表します。すると、その曲は瞬く間に大ヒット。再び脚光を浴び始めた志保でしたが、ふとしたことから、その曲が子供の頃に出演したローカルCMの曲と瓜二つであることに気づいてしまうんです。
自分が無意識のうちに盗作してしまったのではないかという疑念に駆られた志保は、CMについて調べ始めます。そこで彼女が辿り着いたのは、「呪いのCMソング」という恐ろしい都市伝説。そのCMに出演した歌手は謎の死を遂げ、CMは一度しか放送されなかったというのです。
ここから物語は、単なる盗作騒動から、過去の怨念が絡みつくような、ぞっとする展開へと急変していきます。成功を手にしたはずの志保の周りで、次第に奇妙な出来事が起こり始め……。
夢で聴いた美しい旋律が、実は恐ろしい過去と繋がっていたなんて、想像もできませんよね。このコントラストが、この物語の奥深い魅力だと思います。
恋の記憶、止まらないで|実力派キャストが織りなす、リアルな感情
主人公の村瀬志保を演じた斉藤由貴さんの、焦燥感や成功への喜び、そして次第に追い詰められていく様子の表現が、本当に見事でした。かつてアイドルとして輝き、その後も女優として数々の作品で存在感を放ってきた斉藤さんだからこそ、この複雑な役柄をリアルに演じきれたのではないでしょうか。
そして、志保の夫、中居賢治役の利重剛さんの、優しさの中に少しの諦めが混じったような演技も印象的でした。二人の間の微妙な距離感が、物語に深みを与えていたように感じます。
余談ですが、志保と、呪いのCMに関わることになる宮島素子役のイチキ游子さんも、実際に音楽活動をされているそうで、劇中で流れる歌声にも注目してほしいですね。また、最後に登場する少女を演じた笹野鈴々音さんの、あの独特な雰囲気は、一度見たら忘れられないほどのインパクトがありました。
恋の記憶、止まらないで|感想:観た人の心に深く刻まれる、様々な感情
この「恋の記憶、止まらないで」を観た人たちの感想も、本当に様々です。
「鳥肌が立った」「怖すぎて夜眠れなくなった」といったホラーとしての感想はもちろん、「音楽業界の闇を描いているようだ」「記憶の曖昧さ、恐ろしさを感じた」といった、より深いテーマに触れたという意見も多く見られました。
僕自身も、このエピソードを観終わった後、しばらくの間、頭の中で「恋の記憶」のメロディーが止まりませんでした。美しいけれど、どこか不気味なその旋律が、物語全体の雰囲気を象徴しているように感じます。
特に印象的だったのは、物語の終盤、呪いのCMの音声が歪んで「この曲、とらないで」と聞こえるシーン。そして、その言葉を発した少女の、なんとも言えない表情。このラストシーンは、観る人それぞれに様々な解釈を促す、強烈な余韻を残しました。
もしかしたら、僕たちの心の奥底にも、気づかないうちに誰かの記憶をなぞっている部分があるのかもしれない……そんなことを考えさせられる、ちょっと怖いけれど、どこか考えさせられる物語でした。
皆さんは、この「恋の記憶、止まらないで」を観て、どんなことを感じましたか?ぜひ、コメントで教えてくださいね。それでは、また別のドラマの世界でお会いしましょう。